図1◎ベールを脱いだ次期「VMAX」コンセプト・モデル。
図1◎ベールを脱いだ次期「VMAX」コンセプト・モデル。
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 ヤマハ発動機は第39回東京モーターショー(一般公開日:2005年10月22日~11月6日)で,次期「VMAX」のコンセプト・モデルを発表した(図1)。VMAXは,ヤマハが1985年に発売した,ドラッグ・マシンを模した元祖「マッスル・バイク」である。低く長く構えたスタイルにV型4気筒の1200ccエンジンを搭載,圧倒的な加速感によって国内外のユーザーの心をつかんだ。20年を経てもその基本スタイルを変えず,いまだに売れ続けている,国産車にしては珍しいバイクといわれている。

 このコンセプト車の諸元については一切,公表されていない(図2)。ただし,コンセプト・モデルを見る限り伝統のDOHC V4エンジンは継続されるものと思われる。フロント・フォークも正立型と,保守的なスタイルをキープしている。ブレーキ・キャリパーは「YZF-R1」系からの流用とみられるラジアル・マウント方式を採用している。ラジエータの下に巨大なオイル・クーラーが新たに配置されていることから,エンジンをかなり高出力化していそうだ。

 スタイルは,現行のVMAXの「ごつさ」をより強く現したもの。VMAXの象徴ともいえるエア・インテーク部を質感のあるアルミ・ブロックでさらに強調し,前方から見るとまるで魚雷の発射口のように見える(図3)。サイレンサー部はより短く,より太くなっている。リアフェンダー部は,まるで造形美術品のように複雑な曲線を描いている。VMAXの次世代版としては,「正常進化」といえるのではないだろうか。

 一方のホンダは,プレス・デイの午前中には「DN-01」と大書された箱(図4)を舞台上に置き,報道陣をじらしていた。箱が開いたのは,同日午後1時。中から現れたのは,ネイキッド・バイクと大型スクーターの中間のようなスタイルを採用した低く長い「ストリート・ファイター系」のコンセプト車だった(図5)。エンジンは水冷OHC狭角Vツイン型の680cc。隣に置いてあるスクーターに近い形状の「E4-01」に比べるとかなりスポーティな車体に見えるが,シートはスクーターに近い形状を採っている。シート高はかなり低く,足付き性は良いもよう。全長は2345mm,全幅は834mm,全高は1100mmである。

図2◎諸元は一切明らかにされていない…。
図2◎諸元は一切明らかにされていない…。
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図3◎エア・インテーク部はまるで魚雷発射口。
図3◎エア・インテーク部はまるで魚雷発射口。
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図4◎ホンダのブースの壇上には大きな箱が…。
図4◎ホンダのブースの壇上には大きな箱が…。
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図5◎現れたのは,マッスル・スクーターとでも呼べば良いのか…。
図5◎現れたのは,マッスル・スクーターとでも呼べば良いのか…。
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