ドイツVolkswagen(VW)社は、東京モーターショーで1.5Lディーゼルエンジンを搭載したミッドシップのコンセプトカー「EcoRacer」を出展した。燃費が29.4Lkm/Lと、環境性能と経済性を両立させながら、軽量化したボディによってスタートから100km/hまで6.3秒で加速し、最高速度は230km/hに達する。
EcoRacerを紹介したVW社研究開発本部長のMatthias Rabe氏は「これまで環境性能と経済性は3LカーであるLupo TDIで実現していたが、ドライビングダイナミックスは実現できていただろうか。この車は運転する楽しみをも実現した」と述べた。
ミッドシップに積むエンジンは現在開発中のターボディーゼルエンジンで、最高出力100kW(136PS)、最大トルク250N・m以上、圧縮比は17.2だ。変速機はツインクラッチのDSGとなる。このエンジンは将来的に、合成燃料を使用してガソリンエンジンとディーゼルエンジンの長所を合わせて実現する「CCS(Combined Combustion System:複合燃焼システム)」にも対応可能という。
ボディはCFRP(炭素繊維強化樹脂)を採用し、重さを850kgに抑えた。モノコックをCFRP製としたほか、ボンネット、トランクリッド、ドア、ルーフなどにもCFRPを使用した。
ボディ形状はクーペが基本となるが、Tバールーフを備え、乗降時にダンパでルーフが持ち上がる仕組みとなっている。取り外したルーフは後席の後ろに収納可能。さらに、ルーフを取り外し、リヤハッチを外せばロードスターに変身する。
さらに、フロントウインドーを交換して最小サイズのウインドーとすれば、スピードスターにも変身する。「1台でパワフルなクーペ、軽快なロードスター、そしてスピードスターにもなる」(Rabe氏)のが特徴だ。
ボディサイズは全長3770×全幅1740×全高1210mm、ホイールベースは2480mm。ホイールは17インチだ。