DaimlerChrysler社は、東京モーターショー(一般公開日:2005年10月22日~11月6日)に燃料電池車のコンセプトカー「F600 HYGENIUS」を出展すると発表した。同社が研究中の新機能を搭載したコンセプトカーで、背もたれが二つに分かれた新型シートや、疲れの少ないバーチャルディスプレイ、LEDヘッドランプなどを搭載する。

図1◎「F600 HYGENIUS」。F600のFはドイツ語の「Forschung」で、英語ではResearchに相当する。全長4348mmだが、前席と後席の間隔は945mm。後席をスライドさせることで1345mmまで拡大できる。

 背もたれが二つに分かれた新型シートは、上体の動きに合わせることで椎間板の負担を抑える。例えばドライバーがシートを後ろに倒しても、背もたれの下部が自動的に骨盤をサポートするよう変化する。

 ドアミラーにはカメラを内蔵しており、車両の横と後方を監視する。例えば駐車中に他の車両が近づいた場合は、接触を避けるためにドアを開けないようロックできるほか、車線変更時の支援も可能。

 ダッシュボード上のディスプレイはミラーを使って表示しており、実際には1.4mほど遠くから投影している。同社では「バーチャルディスプレイ」と呼んでおり、ドライバーが視点を合わせやすいのが特徴。同社の試験によると視点の移動が少ないく、疲れにくい効果があるという。また、新型「Sクラス」にも採用している乗員保護システム「PRE-SAFE」を機能強化して、膝の保護機能やヘッドレストが変形して頭部を固定する機能を加えた。