マツダは第39回東京モーターショー(一般公開日:2005年10月22日~11月6日)に、コンセプトカー「先駆」を出展する。目指したのは「大人のための4シーターロータリースポーツ」で、パーソナルな時間や空間を重視する層をターゲットに、ロータリーエンジンによる「走り」という価値を提供する。直噴ロータリーエンジン「13B-DI」に、モータを組み合わせたハイブリッド機構を採用。特徴的なのはバッテリをエンジンの直後に配置している点で、低重心なロータリーエンジンを採用していることもあり、前後重量配分50:50と低重心化を実現している。また、変速機としてドイツGetrag社製のツインクラッチ式7速自動MTを組み合わせる。

図1◎マツダのコンセプトカー「先駆」。デザインコンセプトは「シャープネス&メローネス」。「鋭利」と「しなやか」、「伸びやか」と「タイト」など、相反する2つの要素を融合させている。

 ボディ構造は同社が開発中のスペースフレーム構造「マルチフレーム構造」を採用した。複数のフレームを立体的に配置することで、軽量化や衝突性能、高い剛性の両立を目指した。また、車両全体の剛性を確保するために、ドアにセンターピラーを内蔵している。

 ボディサイズは全長4650×全幅1850×全高1400mmで、ホイールベースは3100mm。開口幅が約800mmのスライドドア「フライング・ウイング」を両サイドに採用するが、座面が比較的高いこともあり乗降性が向上している。また、リアゲートはルーフ部が前方にスライドし、一部が下方にスライドする「2段式パワーリアゲート」を採用した。

 前席は非対称な形状とし、運転席はタイト感を、助手席は足元に広い空間のある開放感をもたらす。シートには家具用の革を使用したほか、「漆黒と紅(くれない)」の2色を使い分けた。上質さと、スポーティさを調和させているという。標準は2シーターモードで、背後の空間を荷物置きとして使う。それに加えて、より大きな荷物を積むための「フルラッゲジモード」、パネルを変更して4名乗車が可能な「2+2モード」を備えている。

図2◎ボディ面、キャノピー、グリルの3つを主要なデザイン構成要素としており、ドアミラーやリアランプなどの機能部品を融和させてシンプルさを表現している。

図3◎足元の障害物がなく、高い乗降性を確保した。