Actibandを身に着けて講演する東芝 ヘルスケア社の大内一成氏
Actibandを身に着けて講演する東芝 ヘルスケア社の大内一成氏
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 東芝は、「国際モダンホスピタルショウ2015」(2015年7月15~17日、東京ビッグサイト)に活動量計などを出展し、同社のヘルスケア向けセンシング技術をアピールした。会期の3日目には、東芝 ヘルスケア社でウエアラブル機器の開発に携わる大内一成氏が、展示エリア内のステージで、同社のセンシング技術の歴史を振り返り、今後を展望する講演を行った。

歴史は長い

 東芝は、生活習慣病の予防を目的として、2000年代の前半から、生活習慣の管理を可能にするセンシング技術を開発してきた。商品化には至らなかったが、2004年には、マッチ箱ほどの大きさで、腕に取り付けられるセンサー端末を開発していた。脈派や手の動き、皮膚温度、発汗などを計測し、データはBluetoothでPDA端末へ送信する。生活を可視化し、タイムリーな健康アドバイスができるシステムだったという。例えば、運動していないと判定した場合にアラームとメッセージで運動を促したり、食事中と判定すると食事の記録を勧めたり、食後には服薬や血糖値計測のアラートを発したりしていた。

 2009年には、ウエアラブル睡眠計を商品化した。専門機関で体中にセンサーを取り付けて計測していた睡眠の状態を、リストバンド型端末を使って自宅でチェックできるようにした。この睡眠計では脈派と手の動きを計測し、脳波間隔や体動量から睡眠/覚醒を判定し、自律神経活動をとらえることで睡眠状態を推測して可視化。状態に応じたアドバイスをする機能も備えている。

 2012年には、認知症予防に向けて、屋内外の生活行動をセンシングするシステムを開発した。センシング機器にはスマートフォンを使う。スマートフォンの加速度センサーやGPS、マイクをセンサーとして用いて、電車に乗って静止している、自宅で掃除機をかけている、といった生活行動を独自のソフトウエアで推定。医師や離れて暮らす家族による見守りを可能にするというものだった。