新ディーゼルエンジンの外観
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ハイラックスの外観
ハイラックスの外観
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 トヨタ自動車は、2015年5月21日にタイで発表したピックアップトラック「ハイラックス」に、新しく開発した排気量2.8Lの直列4気筒ディーゼルエンジン「1GD-FTV」を搭載する。新興国から先進国まで同じ仕様で対応しやすくしたことに加えて、従来の「1KD-FTV」に比べて、15%以上熱効率を高めた。最高熱効率は44%に達する。

 自動車技術会が開催する「2015年春季大会学術講演会」(2015年5月20~22日、パシフィコ横浜)で、新エンジンについて発表した。世界市場で販売しやすくするため、エンジンの仕様や配置を大きく変えることなく、排ガス規制のEuro3~6に対応できる。ディーゼル酸化触媒(DOC)とDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)、尿素SCR(選択型触媒還元)を簡単に使い分けられる。Euro3/4対応にはDOC、Euro5対応にはDOCとDPF、Euro6対応には二つに加えて、車両の床下に尿素SCRを搭載する。

 新エンジンでは、圧縮比を従来の15.0から15.8に高めた。ディーゼルエンジン開発で低圧縮比化を重視するトヨタだが、「世界の市場環境での利用を想定」した。圧縮比を高めることで、燃料品質が低くても始動しにくくなるのを防げる。