SLIMDIP
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 IGBTとダイオードを1チップ化した「RC-IGBT」の利用が今後増えそうだ。実際、「PCIM Europe 2015」では、RC-IGBTを利用したパワーモジュールの発表が相次いだ。

 RC-IGBTの特徴は、1チップ化によって、IGBTとダイオードをそれぞれ別に準備するよりも、パワー素子のチップ面積を削減できることや、コストを低減できることを特徴にうたう。

 加えて、IGBTチップ単体やダイオードチップ単体と比べてRC-IGBTの方が、合計の表面積が大きくなるので、放熱性が向上する。これにより、従来と同じ電流を流した場合、チップ温度を低くできるという利点がある。

 こうした利点を備えるRC-IGBTを、洗濯機や冷蔵庫、家庭用エアコンといった白物家電に向けたパワーモジュールに採用したのが三菱電機である。製品名は「SLIMDIP」シリーズ。RC-IGBTの小型化に向く特性を生かし、同社従来品の「DIPIPM」に比べてモジュールサイズを小さくした。

 DIPIPMの中で小型な品種に比べて、体積を約30%削減したという。SLIMDIP のモジュールサイズは、32.8mm×18.8mm×3.6mmである。1.5kW級のモーター駆動用として「業界最小」(三菱電機)をうたう。RC-IGBTを採用したことに加えて、最新の第7世代のIGBT構造を採用したことで、チップサイズや、チップ同士の間隔を縮小した。