展示したPOCT検査装置
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展示した臭気センサシステム
展示した臭気センサシステム
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 日本電波工業は、薬局などにおけるPOCT(point of care testing)用途を想定した検査装置を、「MEDTEC Japan 2015」(2015年4月22~24日、東京ビッグサイト)に参考出展した。血液などの検体をセンサーに10~100μL滴下するだけで、ウイルス感染や疾患を約10分で判定する。

 同社のコア技術である水晶振動子を利用した。具体的には、水晶振動子の電極上に物質が吸着・結合して重さが変化すると、振動周波数が低下する現象を応用。水晶振動子の電極上に調べたい抗原に対応する抗体を配置しておくことで、抗体と反応して重さが変わるかどうかを専用の周波数測定器で測定する。

 同社独自の30MHzの水晶振動子を用いることや、リファレンス用の電極とのツインセンサーで差分を計測する方式を採ることなどから、「感度や精度が高い」(説明員)のが特徴だとする。一方、抗原抗体反応(試薬)などのバイオ分野の知見については「パートナーを探している段階」(同)という。

 なお、展示ブースでは、同様の原理を応用した「臭気センサシステム」も参考出展していた。水晶振動子の表面に臭いの原因となる化学物質と反応する高分子膜を配置し、反応した際の周波数の変化を計測する仕組みである。