パワーデバイスや、インバーターやコンバーターといったパワーエレクトロニクス機器の展示会「PCIM Europe 2015」が2015年5月19~21日にドイツ・ニュルンベルクで開催される。同展示会をレポートする。
PCIM Europe 2015
2015年5月19~21日にドイツ・ニュルンベルクで開催
目次
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中国パワーデバイス企業がドイツに研究開発拠点、狙いは欧州の先端技術か
パワー半導体市場の長期的な成長が見込める中、日本以外のアジア企業も力を入れ始めている。中でも大手とされるのが、2005年に立ち上がった中国StarPower Semiconductor社である。主に、SiのパワーMOSFETやIGBTを外部から調達し、パワーモジュールとしてパッケージングし、販売し…
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SiCを見据え、高出力モジュールの次世代仕様で主導権争い
4社が提案
2015年5月に開催されたパワー素子やパワーエレクトロニクス機器分野の世界最大級のイベント「PCIM Europe 2015(以下、PCIM)」では、耐圧1.2k~6.5kVで電流100Aを超えるような、産業用の高出力パワーモジュールの分野で大手企業による次世代品の提案が相次いだ。スイスABB社や…
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ベースプレートを省いた、三菱電機の産業用IGBTモジュール
標準品と樹脂封止品を用意
三菱電機は、同社の最新世代である第7世代のIGBTを搭載した産業用パワーモジュールを開発した。新しい世代のIGBTを採用すると共に、新しいモジュール構造を適用。パワーモジュールでは一般的な「ベースプレート」と呼ばれる金属板を省いたのが特徴である。
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出力50%増、富士電機の新しい産業用IGBTモジュール
IGBTチップの世代を刷新
富士電機は、新しい世代のIGBTチップを搭載した産業用パワーモジュールを開発し、「PCIM Europe 2015」に出展した。同社は同チップを第7世代品と位置付ける。パワーモジュールとしての特徴は、出力電流を50%高めたことである。具体的には、横107.5mm×縦45mmの「EP2」と呼ぶモジュ…
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「IoT見据えた」パワーモジュール、認証機能や保護機能を強化
Infineonが開発、再生可能エネルギーシステムや産業機器向け
ドイツInfineon Technologies社は、「IoT時代に適した機能を搭載した」とするパワーモジュール「MIPAQ Pro」を開発し、「PCIM Europe 2015」に出展した(発表資料)。特徴は、認証機能や保護機能を強化した点である。太陽光発電システムや風力発電システムといった再生…
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これがGaNパワー素子を“生かす道”、Infineonが見解示す
耐圧800V以下で適用、出力1kW超はノーマリーオフで
ドイツInfineon Technologies社が、米International Rectifier(IR)社を買収した際に手に入れたものの1つが、IR社のGaNパワー素子製品である。現行のSi(シリコン)に続く次世代のパワー半導体としてInfineon社が注力していたのは、GaN(窒化ガリウム…
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Infineon、IGBTとMOSFETの次世代品を披露
ドイツInfineon Technologies社は、IGBTとsuper junction型MOSFET(SJ-MOSFET)「CoolMOS」の次世代品を「PCIM Europe 2015」に出展した。
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「他社の両面冷却品とはひと味違う」、東芝の低耐圧MOS
東芝は、ノートパソコンといったデジタル家電向けの低耐圧MOSFET「U-MOS」の新製品を発表し、「PCIM Europe 2015」。表裏両面に放熱経路を備えた両面冷却型のSOPパッケージに封止したことと、U-MOSチップに新世代品を採用したことを特徴にうたう。パッケージサイズは6mm×5mmであ…
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自動車や白物家電へ、活躍の場を広げる「RC-IGBT」
三菱電機や富士電機が採用
IGBTとダイオードを1チップ化した「RC-IGBT」の利用が今後増えそうだ。実際、「PCIM Europe 2015」では、RC-IGBTを利用したパワーモジュールの発表が相次いだ。
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SiCやGaN、IGBTモジュールの最新成果が集う
「PCIM Europe 2015」が開幕へ
パワー素子やパワーエレクトロニクス(パワエレ)機器分野の世界最大級のイベント「PCIM Europe 2015」が、ドイツ・ニュルンベルクで2015年5月19日(現地時間)に始まる。会期は同年5月21日までである。同イベントでは、毎年5~6月ごろに開催されており、パワー素子や同素子を利用したパワエ…
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8mm角と小さい耐圧600VのGaNパワー素子
パナソニックが開発
パナソニックは、8mm×8mm×1.25mmと小さい、耐圧600VのGaNパワー素子を開発した。このサイズは「業界最小」(同社)だという。パッケージは表面実装型のDFNである。同パッケージの寄生インダクタンス成分は1nHと小さいので、200V/ns以上の高速なスイッチングが可能になるという。