講演するシャープの山崎公人氏
講演するシャープの山崎公人氏
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 シャープは、民生機器で培った光学技術を生かし、最終糖化産物(AGEs)のセンシングで、医療・ヘルスケア分野に再参入する。同社 新規事業推進本部 本部長の山崎公人氏が、「次世代医療機器サミット2015~非侵襲センシングが拓くヘルスケアの明日~」(2015年4月20日、主催:日経デジタルヘルス)で、取り組みを紹介した。

 シャープは、1964年からポータブル輸液ポンプや電子式血圧計などの医療機器を開発・販売。しかし、その後は、子会社が引き継いだ超音波洗浄機を除いて、医療機器事業から撤退していた。現在、医療費が増え続け、生活習慣病の予防などが切実に求められる社会背景を受けて、同社は再び、医療・ヘルスケア分野に打って出ようとしている。

 現在、同社が開発を進めているのが、非侵襲のAGEsセンサーである。AGEsは、糖分とタンパク質が結合して出来る最終糖化産物。糖化したタンパク質は本来の機能を果たさなくなるため、AGEsが体内に蓄積すると、生体に悪影響を及ぼすとされている。糖尿病や老化現象、認知症、動脈硬化などにも関与することが明らかになってきた。