2014年からICEPで始まった取り組みの一つに、半導体前工程とのコラボレーションの強化を狙った「オーガナイズドセッション(organized session)」がある。今回も会期3日目に、TechLead社のBauer氏による基調講演に続いて、前工程と後工程、双方からの発表者によるIoT時代のキラーデバイスを議論するセッションが開催された。

 昨年の「ICEP 2014」では、前工程と後工程からそれぞれ発表があり、ウエハーレベルパッケージやTSV(Si貫通ビア)、BEOLデバイスなどが両者の接点になり得るとの議論が展開された。今回はシステム・アプリケーションからの発表者を加え、アプリケーション指向の視点で研究テーマを探るという、IoT時代のハードウエア研究にふさわしい議論が展開された。

 Bauer氏は、実装技術に関する学会では、マイクロエレクトロニクスからナノエレクトロニクスへとテーマを変えていくべきだと指摘。特に、金属ナノ粒子を使った実装技術は、実用化の観点からはその先端を走っていると話した。

 同氏の講演に続いて、コグニティブコンピューティングや量子コンピューティング、ニューロモルフィックデバイス、医療デバイスなどに関する講演が行われた。まさに新しいアプリケーションとして高い注目を集めているものばかりである。特に、量子コンピューティングについては、最先端の技術やその評価を聞く機会は少ないだけに、貴重な場となった。