「ISSCC 2014」では、NANDフラッシュメモリー(16nm世代)、SRAM(14nm世代)、混載DRAM(22nm世代)とプロセスノードが一気に進展した感があった。「ISSCC 2015」では、テクノロジドライバーであるSRAMのプロセスノードは更新されなかったものの、NAND(15nm世代)や混載DRAM(14nm世代)に進展がみられた。

 メモリ分野のセッションは2本立て。計14件がフルペーパーとして発表され、ISSCC 2014(2.5セッション)に比べて、発表件数自体は減った。

 2月24日には開催されたSession7「Non-Volatile Memory Solutions」では、日本からの発表(4件)が集中した。「SMALL CHIPS for BIG DATA」という今回の学会テーマにふさわしく、クラウド時代を牽引するメモリー技術が発表された。

 NANDに関しては、ISSCC 2014に引き続いて韓国Samsung Electronics社が3D(3次元)NANDを発表した(講演番号7.2)。メモリーセルをMLC(2ビット/セル)からTLC(3ビット/セル)に進化させるとともに、積層数を24層から32層に向上させた。単位面積当たりの記憶容量は1.85Gビット/mm2となり、HDD(1.33Gビット/mm2)を初めて上回ったとする。Charge-Trap Flash(CTF)の特徴を生かした高速書込み動作も実現し、クラウド時代のストレージの主役に名乗りを上げた感がある。

 対して東芝は、低電圧(1.8V)で動作可能で書き込み(30Mバイト/s)と読み出し(533Mバイト/s)のスループットが高い15nm世代のMLC NANDを発表した(講演番号7.1)。容量拡大路線とは異なり、eMMCなどのNANDソリューションのための高速・低電力の両立に向けたアプローチである。3次元化とともに、NANDの進化継続に向けたクラウド時代にふさわしい取り組みだ。