パナソニックのULTRA HD BLU-RAYプレーヤーでのHDR実演(1)
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パナソニックのULTRA HD BLU-RAYプレーヤーでのHDR実演(2)
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 映像の進化はこれまでもっぱら高解像度化が中心だったが、ついにこれまで手つかずだった「ダイナミックレンジ表現」に手が入った。「2015 International CES」会場のテレビ関係のブースは、日本も韓国も中国もハイダイナミックレンジ(HDR)の言葉であふれていた。

 HDRは、昨年(2014年)のCESで米Dolby Laboratories社がHDRプログラム「DolbyVision」を発表してから、人口に膾炙(かいしゃ)してきた。昨年はシャープと中国TCL社だけがサポートしていたが、今年(2015年)は東芝、オランダRoyal Philips社(台湾企業との合弁のTP Vision社)、米Vizio社、中国Hisense社のハードウエアメーカーが参入。配信業者では、米Netflix社、米VUDU社、米Amazon.com社(サービス名はAmazon Instant Video)が参加している(昨年あった「Microsoft Xbox Video」は、今年のニュースリリースにはなかった)。

 昨年のCESの段階ではコンテンツ会社の参加は不明だったが、今年のCESでは「ワーナー・ブラザース・ホームエンターテインメント」の名前が正式に発表された。「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「イントゥ・ザ・ストーム」「LEGOムービー」などの作品が 2015年にDolbyVisionで、OTT(Over The Top)とULTRA HD BLU-RAY(4K・BD)によって配信予定だ。

 一方、ULTRA HD BLU-RAYもHDRをサポートする。というより、HDRがULTRA HD BLU-RAYの目玉機能になっている。スタジオによっては、4K解像度にはあまり興味がなく、HDRがあるから次世代Blu-ray Disc(BD)を推進するスタンスのところもあるほどだ。BDのHDR規格は、ソニーとパナソニックの共同提案によるオープンな標準規格(マンダトリーフォーマット)を利用する方式(詳細は後述)が採用された。