米Oculus VR社のヘッドマウントディスプレー「Oculus Rift」のようなVR(仮想現実感)用の表示機器への関心が高まる中、CESではVR時代を見据えた新しい入力技術の提案も相次いだ。同技術を開発する各社が狙うのは、パソコンのマウスやキーボードのような、VRコンテンツの操作に不可欠な存在になることだ。

図1 「VR Developer Mount」を使い、Leap MotionをOculus Riftに取り付けているところ
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 米Leap Motion社もそんな1社だ。同社は、USBを通じてパソコンやタブレット端末などと接続し、手や指の動きなどで操作するジェスチャー入力装置「Leap Motion」を手掛けている。CESでは、VR用に開発中の新しいジェスチャー入力装置を披露した。

  Leap Motionでは、赤外LEDから計測対象を照射し、その反射光を2個のカメラで撮影して、その位置を検知している。2個のカメラを使い、三角測量の原理で距離を演算しているようだ。検知精度は±10μmと高精度ではあるが、価格は80米ドルほどと安価なことから、ヒットを飛ばした。外付け品だけでなく、Leap Motionを組み込んだノートパソコンも発売されており、「パソコン市場では大きな成果を得られた」(同社)と胸を張る。

図2 Oculus Riftで表示する仮想空間映像内に手の映像を表示して、実際の手や指の動きに連動させられるようになる
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 そんな同社がパソコンの次のターゲットにしたのが、VR市場である。同社は、Oculus Riftといった没入型のHMDの前面側にLeap Motionを取り付けられる固定ユニット「VR Developer Mount」を19.99米ドルで販売中だ(図1)。固定ユニットを利用することで、Oculus Riftで表示する仮想空間映像内に、装着者の手の映像を表示し、実際の手や指の動きに連動させられるようになる(図2)。