シスコシステムズの岩丸氏
シスコシステムズの岩丸氏
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 高齢者の地域生活を健康時から認知症に至るまで途切れなくサポートすべく、法学・工学・医学を統合した社会技術を開発するプロジェクト「COLTEM」(関連記事)。シスコシステムズは、2014年10月29~31日に開催された「次世代ヘルスケア展」(主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス)で、同プロジェクトにおける同社の取り組みを紹介した。同社 公共・医療担当シニア・ソリューション・アーキテクトの岩丸宏明氏が講演した。

 シスコシステムズはCOLTEMの活動の中で、遠隔サテライト、高齢者意志決定メカニズム研究サテライト、見守りシステムサテライトなどに参画し、インターネット環境、無線LAN、テレビ会議システムなどの基盤を提供して実証実験に取り組んでいる。「さまざまな研究サテライトを統合して意志決定サポートセンターを構築し、認知症および認知症予備軍の高齢者に対してワンストップサービスを提供していくもの」(岩丸氏)と説明する。

 意志決定サポートセンターには、高齢者に銀行サービスや保険サービスを提供し、財産管理をサポートする機能がある。サービス提供者である金融機関にとって、意思確認が不確かな認知症が疑われる高齢者にどう対応するかが課題であり、窓口業務においては医師の所見やアドバイスを反映して対応する必要がある。「Expert On Demandという高齢者・医師・金融機関などが三者会議できる窓口を設置。遠隔技術を使って認知症患者に向けた意志決定評価による判断能力の確認、法学的見地からのアドバイス、あるいは地域包括支援センターとの連携を実現していく」(岩丸氏)。