SiCやその関連材料に関する学会「ECSCRM 2014」(2014年9月21~25日、フランス・グルノーブル)では、バイポーラ素子の作製に必要なp型SiCのバルク結晶成長(基板)に関する発表が複数あった。SiCのショットキー・バリア・ダイオード(SBD)やパワーMOSFETといったユニポーラ素子ではn型基板が用いられる。そのため、各企業は、n型基板の大口径化や、高品質化に力を入れている。これまでp型基板は物性評価用やSiC MOSFETの基礎研究に使われる程度であった。 ところがここ最近、電力インフラでの利用を想定した10kVを超える高い耐圧のSiCバイポーラパワー素子の研究が進んでいる。例えば、nチャネルのSiC IGBTを作製するためには、低抵抗で高品質なp型SiC基板が必要になる。そのため、p型基板を作製するためのp型SiCのバルク結晶成長に関する発表が増えている。
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