ソニー 業務執行役員 SVP イメージング・プロダクツ&ソリューションセクター 副セクター長 デジタルイメージング事業本部 本部長の石塚茂樹氏
ソニー 業務執行役員 SVP イメージング・プロダクツ&ソリューションセクター 副セクター長 デジタルイメージング事業本部 本部長の石塚茂樹氏
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 ソニーは、世界最大級のカメラ関連の展示会「photokina 2014」(開催期間2014年9月16~21日、ドイツ・ケルン)において、日本のメディア向けにラウンドテーブルを開催した。同社でデジタルカメラ事業を統括する石塚茂樹氏(業務執行役員 SVP イメージング・プロダクツ&ソリューションセクター 副セクター長 デジタルイメージング事業本部 本部長)が記者からの質問に答えた。

――35mmフルサイズの撮像素子を搭載するミラーレスカメラ「α7」シリーズをはじめとして、この2年ほどプレミアム路線を強化してきた。シェアやブランドイメージが高まっている一方で、最近は競合他社も追いかけている。今後の戦略は。

 我々のデジタルイメージングの技術の柱は三つ。(1)CMOSイメージセンサー、(2)画像処理エンジン、(3)光学レンズである。この三つを社内で設計・製造している点は大きな強みだ。

 競合も追いかけてくるが、今、1歩2歩先をゆく仕込みをしている。どこかのタイミングで新製品として発表したい。その時に「この手があったか」「こんな技術があるのか」ということを紹介できると思う。(詳細は明かせないが)これはカメラ性能の新しい軸になっていくはずだ。正常進化というよりはジャンプだ。斜め上にいきたい。

――スマートフォンの影響でデジタルカメラ市場の縮小が止まらない。このまま縮小していくのか。あるいは何か、拡大する要素はあるのか。

 これまでの延長線でやっていく限り、縮小は続くだろう。市場規模の縮小率は年率3~4割。いずれ減少率は小さくなっていくが、減る方向には変わりない。メーカーの数が変わらない中でこのままの状況が続くと、シェアの食い合いになってしまう。これはよろしくない。

 我々もこれまでの市場にも一定の規模として取り組んでいくが、一方でこれまでにない新しいカテゴリーを創るという努力がメーカーには必要だ。今の「コンパクト型デジタルカメラ」という言い方ではないデジタルカメラの提案に取り組んでいかないと厳しいだろう。