新生児の取り違えや連れ去りのリスクを減らすシステムを、サトーヘルスケアが「国際モダンホスピタルショウ2014」(2014年7月16~18日、東京ビッグサイト)で展示した。母親の手首と新生児の足首、コット(新生児用キャリーベッド)に取り付けるRFIDタグと管理ソフトウエアなどから成るシステムだ。
母親が新生児に触れようとした際に、母子のタグ同士を照合して、LEDランプと音で正誤を伝える。また、コットと新生児の距離が設定より開いた場合に、現場とナースステーションに警告音を発する。タグを取り付けるバンドを切断したり無理に外したりした場合も警告音が鳴る。
シンガポールのCadi Scientific社の製品で、アジアでは導入実績があるという。日本ではサトーヘルスケアが販売代理店を務め、今後、拡販を狙っていく。サトーヘルスケアは自社製品として、患者のID識別用に、氏名やID番号を印字し、バーコードやRFIDタグなどを付与したリストバンドを発行するシステムを販売している。Cadi社のシステムがカバーする前段階となる分娩前や出産直後を、このリストバンドで管理しておけば、新生児の取り違えリスクはさらに低減できるとする。
サトーヘルスケアは、2014年4月に設立したばかり。価格や賞味期限などを印字したラベルを作成するハンドラベラーなどを手掛けてきたサトーが、ヘルスケア部門を分社化して設立した。分社前から、バーコードやRFIDタグなどの自動認識技術を用いて、血液バッグなどのトレーサビリティーを実現するシステムなどを手掛けてきたという。ホスピタルショウの同社ブースでは、高価な医学書の貸出管理にRFIDタグを使うシステムなども展示していた。