ディスプレー分野最大の学会「SID」の今年(2014年)の展示会ブースを単純にフロア面積で比較すると、「3M > Tianma&NLT > JDI、Samsung、LG > BOE、シャープ、Corning、Qualcomm、Henkel」といった具合になる。

注)各社の正式名称は以下の通り。3M:米3M社、Tianma:中国Tianma Micro-electronics Group社、NLT:NLTテクノロジー、JDI:ジャパンディスプレイ、Samsung:韓国Samsung Display社、LG:韓国LG Display社、BOE:中国BOE Technology Group社、Corning:米Corning社、Qualcomm:米Qualcomm社、Henkel:ドイツHenkel社。

 展示面積だけで単純な比較はできないが、中国メーカーの躍進が目立つ一方、韓国メーカー(特にSamsung Display社)にはこれまでのような勢いを感じることができなかった。高精細モバイル機器用の低温多結晶Si(LTPS)TFTパネルに関しては、台湾メーカーだけでなく中国メーカーも500ppiを超える超高精細品を展示してきている。

 アモルファスSi(a-Si)TFTに続いてLTPS TFTでも中国が主要生産拠点になるのは、時間の問題となってきた。来年(2015年)以降は、先行する日本や韓国勢と中国勢の技術の差がさらに縮まり、やがて淘汰されて競争力のある企業のみが生き残るだろう。モバイル用ディスプレイも戦国時代に突入したのである。

 以降では、筆者が注目した展示ブースや展示内容について、写真を中心に紹介する。

最大規模の3M社と、IGZOが話題のシャープの展示ブース

●3Mのブース

 パネルメーカーの勢力地図は毎年変化するが、米3M社は光学フィルムを中心に堅実なビジネスを続けている。同社はSIDで毎年、最大規模の展示ブースを出し続けている。

3Mのブース
3M社のブース

●シャープのブース

IGZOパネルの展示を期待して見に行ったのだが、10.8型フルHDのタブレット端末用しか展示されておらず、残念だった。北米ではIGZOの拡販はしないのだろうか。

シャープのブース
シャープのブース