講演中の稲見氏
講演中の稲見氏
[画像のクリックで拡大表示]
ユーザーインターフェースのキモ
ユーザーインターフェースのキモ
[画像のクリックで拡大表示]

 慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授の稲見 昌彦氏は、2014年3月20日に開催されたセミナー「クルマや医療・介護を変える『入力革命』」(JA共済ビル、主催:日経テクノロジーオンライン)で「タッチインターフェースがつくるスマートな世界」と題して講演した。ユーザーに意識して使わせない“透明なユーザーインターフェース”を実現するヒントを与えるような内容だった。

 稲見氏は、ユーザーインターフェースの肝は、インタラクション(相互作用)にあると指摘した。入出力を分けず、インタラクティブ性を持たせることが重要とする。ユーザーが操作して機器側がそれをセンシング、処理して、ディスプレイでユーザーに提示するという一連の流れを妨げないことが前提となる。

 こうした設計をうまくするためには、人間の感覚を理解する必要があるとする。理解ができれば、表示させたものや道具をユーザーの身体と一体に感じさせる“透明な”インターフェースもできるという。講演では、そうした人間の特性に関する実験事例や、それを踏まえたユーザーインターフェースの事例を同氏は紹介した。

 また、身体が多くの人が思っている以上に、感情などの内面を表していることも指摘した。例えば、自動車の運転手の居眠り検知のために、脳波を検知しなくてもハンドル操作の履歴から、ユーザーが眠たいといったことを認識できるとする。