米国サンフランシスコで2014年2月9日~13日に開催される、米IEEE主催の最先端半導体に関する国際学会「IEEE International Solid-State Circuits Conference」(ISSCC)をレポートする。
ISSCC 2014
2014年2月9日~13日、米国サンフランシスコにて開催
目次
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ウェアラブル・メディカル、生体に刺激を与える技術や低コスト実装技術などで完成度が向上
患者のQuality-Of-Lifeを高め、かつ低コストで容易に導入可能なウェアラブル・メディカル・システムの研究開発の進展は著しい。ISSCC 2014のSession 18「Biomedical systems for improved quality of life」では、ポイントオブケア・遠…
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シャープが70型で1mm径のペン入力を可能にするタッチパネル・システムを発表
撮像素子のセッション(セッション7)では、韓国Samsung Electronics社が1.12μm画素ピッチの1/4型800万画素イメージセンサーの発表を行った[講演番号7.1]。シリコンを物理的に掘り込むDeep Trench Isolation(DTI)技術を用いて、1.12μmピッチの画素…
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RF分野はスマホ向けパワーアンプの高効率化などに大きな進展
RF分野は引き続き活発な研究開発が行われており、ISSCC 2014では例年通り3セッションが行われた。セッション3「RF Techniques」、セッション14「Millimeter-Wave / Terahertz Techniques」、セッション21「Frequency Generatio…
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有線通信分野、複数レーンを高密度に実装して高速化と低電力化を両立
プリント基板上のチップ間通信やサーバー間バックプレーン伝送、基幹通信網の光ファイバ伝送などを対象とする有線通信分野では、昨年に引き続き、高速化、低消費電力化の流れが続いている。特に、これらを両立するに当たり、レーン当たりのデータレートを高めるだけでなく、回路技術と光技術を組み合わせた高密度実装を行…
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広範な電力にまたがる多彩なアナログ回路技術に沸く
エネルギーハーベスティングのセッション(Session 23)では、圧電効果や電気化学効果、光電効果などの環境エネルギーから効率的に電力を取り出す回路について、最新の研究成果が発表された。電力で1nW~1mW、電圧で0.1V~10Vと広い範囲をカバーするセッションに350人以上の聴講者が詰めかけた…
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128Gビット3D NANDが登場、SRAMは一気に14nm FinFETへ飛躍
メモリー分野では、昨年以上に微細化が加速された。2013年は主だったメモリーのプロセスノードの”記録更新”はSRAMだけであった。これに対して、今年はNAND、DRAM、SRAMでそれぞれ記録が更新された。
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データ・コンバータ分野は超高効率のA-D変換器などが登場
ISSCC 2014のデータ・コンバータ分野の発表は昨年の15件から2件増え、二つのセッションと一つのハーフセッションで構成された。セッション11では主にセンサーネットや医療機器、モバイル機器向けの比較的低速かつ電力効率の高いデータ・コンバータ技術、セッション22では1Gサンプル/秒以上の変換速度…
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スマホやHMDに向けた高速・低電力のプロセッサーの発表が相次ぐ
ISSCC 2014のSession10「Mobile Systems-on-Chip (SoCs)」では,GHz級のプロセッサー・コアを搭載したアプリケーション・プロセッサー,HMD用途に向けた拡張現実プロセッサー、複数の無線通信規格に対応するベースバンド・プロセッサーを中心に8件のSoCが報告…
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低電力デジタル回路では、負荷に応じて処理能力と消費電力をスケーラブルに変える技術に注目
ISSCC 2014のSession27「Energy Efficient Digital Circuits」では、様々なアプリケーションに対して高いエネルギー効率化を実現できる回路技術について、計8件の成果が報告された。その中でも、次世代ポータブル・コンピューティング・デバイスに向けて、アプリケー…
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プロセッサーは電圧レギュレータの統合や各種の適応技術に高い注目
高性能デジタル(High Performance Digital)分野は、一つのフルセッションSession 5「Processors」と、二つのショートセッションSession 15「Digital PLLs」およびSession 16「SoC Building Blocks」の三つのセッション…
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Samsungの128Gビット3次元NAND、エンタープライズSSD向けに3万5000回の書き換えを実現
韓国Samsung Electronics社は3次元NANDフラッシュメモリー「Vertical NAND(V-NAND)」について「International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)2014」(2014年2月9~13日、米国サンフランシスコ)…
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Micronとソニーの16GビットReRAM、ストレージクラスメモリーへの応用を狙う
米Micron Technology社とソニーの共同グループは、27nm世代の16GビットReRAM(抵抗変化型メモリー)を開発し、「International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)2014」(2014年2月9~13日、米国サンフランシスコ)…
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Broadcomの802.11ad対応チップセットが登場、ミリ波CMOS無線機の高速化・高集積化が進む
「ISSCC 2014」のセッション20「Wireless Systems」では、60GHz帯ミリ波無線や、Wi-Fi(無線LAN)の最新規格であるIEEE802.11ac対応のMIMO SoC、セルラー用受信機の外付けフィルタレス化技術などを中心に計8件が報告された。中でも60GHz帯ミリ波無線…
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中央大学、ReRAM/NANDハイブリッド・ストレージの信頼性を高めるコントローラ技術を開発
中央大学 理工学部 電気電子情報通信工学科 教授の竹内健氏らの研究グループは、抵抗変化型メモリー(ReRAM)とNANDフラッシュメモリーを組み合わせたデータセンター向けのハイブリッド・ストレージ・システムにおいて、信頼性や速度、寿命などを大幅に改善できるコントローラ技術を開発した。詳細を「Int…
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東芝、無線センサー端末向けにリーク電流1/1000のSRAM技術を開発
東芝はリーク電流を通常のSRAMに比べて約1/1000に低減できる「eXtremely Low Leakage SRAM(XLL SRAM)」を開発し、「International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)2014」(2014年2月9~13日、米…
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富士通研究所とimec、2mW未満で4.5Mビット/秒を通信できる医療向け無線回路を開発
富士通研究所とオランダimec Holst Centreは医療機器向けの超低消費電力送受信回路を開発し「International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)2014」(2014年2月9~13日、米国サンフランシスコ)で発表した[講演番号:9.7]…
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マトリックスコンバータの面積を約1/100に、GaNパワー素子とマイクロ波駆動で実現
パナソニックが発表
パナソニックは、GaNパワー素子を適用した1チップ型のマトリックスコンバータを試作した。5kW級で大きさは25mm×18mmと、Siパワー素子を利用する従来のマトリックスコンバータに比べて面積は約1/100だという。実現技術の詳細について「International Solid-State Circ…
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富士通研究所、安価なレーザー素子で40Gビット/秒の高速通信を可能にするドライバーICを開発
富士通研究所は、安価な25Gビット/秒対応の垂直共振器面発光レーザー(vertical cavity surface emitting laser:VCSEL)を用いながら、40Gビット/秒の高速通信を可能にするドライバーIC技術を開発し、「International Solid-State Ci…
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富士通研と富士通セミコン、WCDMA/LTE用のCMOSパワーアンプで化合物に迫る電力効率を実現
富士通研究所と富士通セミコンダクターの共同研究グループは、WCDMA/LTE用のCMOSパワーアンプで化合物半導体に迫る電力効率を実現し、その詳細を「International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)2014」(2014年2月9~13日、米国サ…
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22nm世代のプロセサが続出、ボルテージ・レギュレータを統合
「International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)2014」(2014年2月9~13日、米国サンフランシスコ)のセッション5「Processors」では9件の発表中、米IBM社と米Intel社が共に3件ずつ発表しており、両社が存在感を見せつけ…