米国最大の家電見本市「2014 International CES」(米国ラスベガス、2014年1月7日~10日)のソニー・ブースでは、テニスができる(図1)。同社が開発した、テニス・ラケットに装着するセンサー・デバイス「Play Sports Tennis Sensor」を、来場者が実際に試せるコーナーである。
Tennis Sensorは、ラケットのグリップ・エンド(下端)に装着して使用する(図2)。質量は9g。Tennis SensorとスマートフォンをBluetoothで接続し、専用のアプリケーション・ソフトウエア(アプリ)でセンサーからのデータを受け取り、解析する。Tennis Sensorは加速度センサーと角速度(ジャイロ)センサー、振動センサーを内蔵しており、ラケットを振る動作やボールを打った衝撃などを測定している。
具体的には、(1)ボールを打った回数、(2)ボールをとらえた位置、(3)スイングの種類、(4)スイングのスピード、(5)ボールのスピード、(6)ボールのスピン速度などを判定できる(図3)。
例えば(2)ボールをとらえた位置は、ラケットのガットのどの位置でボールを打ったかを、振動センサーのデータから瞬時に判定する。「ラケットでボールを打ったときの振動は、ミートした位置で違う」(開発担当者)ことを利用した。
(3)スイングの種類は、フォア・ハンドあるいはバック・ハンドで打ったかを判断できる。アプリを利用する際に右打ち/左打ちを選択する必要はあるものの、加速度センサーやジャイロ・センサーの情報からラケットの軌道を推定し、スイングの種類を見極めることが可能という。
製品化に関しては、「今のところ具体的な製品化の予定はないが、近い将来には実用化したいと考えている」(同社の担当者)と意気込む。開発のきっかけは、「テニスが好きだったから」(担当者)とのこと。ちなみに、ソニーは2014年3月に米国マイアミで開催されるテニスの国際トーナメント「Sony Open Tennis」の冠スポンサーを務める。