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【麻倉怜士IFA報告】「Berlin City Cubeが完成すると、ブース大移動です」

2013/09/16 13:23
麻倉 怜士=評論家、日本画質学会副会長
建設中のBerlin City Cube
建設中のBerlin City Cube
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Heitecker氏(右)と筆者
Heitecker氏(右)と筆者
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 ドイツMesse Berlin社でIFAグローバル統轄本部長を務めるJens Heitecker氏に、今年のエレクトロニクス機器関連見本市「IFA」について聞いた(インタビューは会期初日の9月6日に実施)。

――今年のIFAの数値をまず確認したいのですが。

 入場者数は今のところ昨年と同じ24万人程度だとみていますが、特に近年は国際的な色彩を強めていることもあり、増える方向でしょう。展示社は昨年(2012年)が1439社でしたが、今年(2013年)は1493社に増えました。

――今年の新しいトレンドを教えてください。

 「来場者にとって最も効率的なショーでありたい」という基本コンセプトは全く変わっていません。メーカーが効率的にディーラーに会え、ディーラーも効率的に集中的にメーカーと交渉できるという、IFAの強みは昔も今も変わっていません。IFAは新分野を積極的に受け入れていますが、特にIT(情報技術)と通信関係が積極的に加わってきたのが、新しい流れだと思います。特にIFAにとって、この流れは歓迎できるのです。

――と、いいますと?

 IFAでは、7年前に白物家電が加わりました。この時は、大きな批判がありましたが、今になってあの決断は正しかったと思います。オーディオ・ビジュアルがスマート化し、それにスマホやタブレット、通信が加わるということは、どういうことでしょうか。家がスマートホーム化していく中で、また個人がスマート化していく中で、それに必要なすべての要素、つまり民生機器、家電機器、通信端末、個人用端末が、IFAにすべて結集することを意味しています。その意味で、決まった枠にとらわれることなく、柔軟に新しいトレンドを受け入れていったことが、今、IFAの価値をより高めているといえるでしょう。私は最終的には、そうしたトレンドはコンシューマ・エレクトロニクス業界をさらに強くするものだと信じています。

――なるほど。日本メーカーの動向をどう見ていますか。

 大きな動きがありました。シャープさんが、メインの大きなスペースを降りて、小さなブースに移られました。しかし、IFAの価値を正しく測っていただけるなら、シャープさんには、ぜひ適切なブレゼンスを持っていだきたいと願っています。ソニーさんとパナソニックさんは一時の低迷を抜けられ、実にバイタルにヴィヴットにブース展開をされています。私としてもとても頼もしく見ています。

――新ホール「Berlin City Cube」を建設しています。

 Berlin City Cubeは今、建設が急ピッチで進んでいます。IFAの出展スペースはもう全然足りません。いつもオーバーブッキングで、何年もお待ちいただいているのです。そこで、敷地面積をBerlin City Cubeの建設によって増やすというのが、狙いの一つです。2014年春に完成すれば現在のメッセ・ベルリンの敷地面積16万m2に、Berlin City Cubeの1万2000m2が加わる計算です。老朽化したカンファレンス・ホールの代わりも担います。新ホールが完成すれば、メッセ・ベルリンは世界最大規模の会議場と展示スペースを提供できるイベント会場になります。

――では、Berlin City Cubeをどのように活用するのですか。

 まだ内緒です。いまは出展者の皆さんに、どのように使いたいかをヒアリングしている段階です。恐らく、コンセプトが変わる場面も出てくると思います。

――なるほど。ブース大移動が起きるかもしれませんね。

 はい、まるでパズルのようですよ。今から着々と準備いたします。