新エンジンの効用という。
新エンジンの効用という。
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 「グローバル・トレンドである大型化と、東芝ならではの最高画質を両立させ、大画面を強化したい」――。東芝が「2013 International CES」(米国ラスベガス、2013年1月8~11日)の開催に先立って現地時間の1月6日に開催した、日本人記者を主に対象とした会見で、東芝 デジタルプロダクツ&サービス社 社長の深串方彦氏が語った言葉である。この言葉は、非常に戦略的な意味を含んでいる。

 なぜなら、「4K×2K放送がないのに、なぜ4K×2Kテレビを出すのか」という批判に答えているからだ。東芝の考えはこうだ。

 「4K×2Kテレビは、もちろん4K×2Kコンテンツを映すものだ。しかし、フルHD環境では優れたアップコンバートと高画質技術を使えば“最高のフルHD画質”が得られる。4K×2Kコンテンツはほとんどないが、それは気にしない。フルHDの最高のテレビとして、いま4K×2Kテレビはそこにある存在だ」。

 東芝は戦略的にフルHD環境で4K×2Kを活用するのである。4K×2Kを技術でなく、マーケティングとして捉える発想だ。