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【パリショー】英Jaguer社「Fタイプ」を展示

浜田 基彦=日経Automotive Technology
2012/10/04 10:48
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図1 英Jaguer社の「Fタイプ」。ラジエータグリルの外側に、ブレーキ冷却専用の空気取り入れ口がある
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図2 座席。センターコンソールの助手席側に“隔壁”が立ち、運転席優先を強調する
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 英Jaguer社はスポーツカー「Fタイプ」を展示、2013年の春に発売すると表明した。1975年に生産を終えた「Eタイプ」以来、久々の本格的スポーツカーということになる。質量は1597kgから。前、後輪ともダブルウッシュボーン式サスペンション。ホイールベースは2622mm、前後のトレッドはそれぞれ1585mmと1627m。

  当面、「Fタイプ」「FタイプS」「FタイプV8 S」の3グレードを発売する。最大噴射圧力150barのスプレー・ガイデッド型直噴のガソリンエンジンを積む。ルーツ式スーパーチャージャで過給し、過給圧はドイツBosch社製のエンジン制御ソフトウェアが制御する。全車アイドリングストップ機構付きで、燃料消費量とCO2排出量を最大5%低減する。

  Fタイプには「XJ」と「XF」の2013年モデルに初めて搭載されたものと同じエンジンを積む。排気量3.0L、340PS(250kW)、最大トルク450N・mのV型6気筒。静止状態から60mphまで5.1秒(0-100km/h換算で5.3秒)で加速する。電子制御のリミッタによる最高速度は161mph(260km/h)、CO2排出量は欧州混合モードで209g/km。

  FタイプSの排気量は同じ3.0Lだが、最高出力が380PS(280kW)、最大トルク460N・mの強化型。60mphまでの加速が4.8秒(0-100km/h換算で4.9秒)。リミッタによる最高速度は171mph(275km/h)、CO2排出量は213g/km。

  FタイプV8 Sは従来からのV型8気筒エンジンを改良して積む。495PS(364kW)の最高出力と625N・mのトルクを発生し、60mphまで4.2秒で加速する(0-100km/h換算で4.3秒)。リミッタによる最高速度は186mph(300km/h)、CO2排出量は259g/km。

  FタイプSとFタイプV8 Sの両モデルには可変排気システムを標準装備する。Fタイプではオプション。排気系の途中にある電子制御式のバイパス弁が3000rpm以上で負荷が加わったときに開き、高回転向けの特性になる。モード選択か、ボタン操作によって、バイパス弁を常に開いた状態にもできる。

  車体は6000系を中心としたアルミニウム合金製で、ホワイトボディ質量は261kg。前のサブフレームは、鋼製の同様の部品よりも5kg軽い。ドア内面のプレス成形品は加工前にワークを260℃に熱する温間成形品。これにより、1枚の大きなプレス品で望みどおりの形状と構造にできた。小さなパーツを多用するよりも、質量を減らせる。

  ねじり剛性は、同じく総アルミ製の「XKR-S」に比べ10%高い。CAEを使って綿密に設計した結果、前のサスペンションの取り付け部などの重要な部分での横方向の剛性は最大30%強くなった。

  Jaguer社は自社の閉ループのリサイクルシステムを納入業者にも適用しており、製造工程から出た金属の残材すべてを確実に回収し、それらの再利用に取り組んでいる。その結果、車両に使われる金属の半分以上は再生金属で造られる。さらに車体はリベットと接着剤のみで接合しており、スチール構造を溶接した場合と比べ、生産工程でのCO2排出量が最大80%少なくなる。

  樹脂部品ではボンネット周りで12kg、シート構造、取り付けの最適化により24kg軽くした。

  Fタイプのブレーキは、ディスク径が前輪354mm、後輪325mm。FタイプSは、前輪が380mmに大きくなる。FタイプV8 Sはさらに後輪が376mmに大きくなり、同社の市販車に標準装備する中では最大。すべての車種にABS(アンチロック・ブレーキ・システム)、電子制御式ブレーキ力配分装置、緊急ブレーキ補助装置を標準装備する。

  ドアハンドルはリトラクタブル式。リモコンキーで開錠するか、運転者がハンドルのタッチセンサの部分に触れるかして作動させるまで、ドアパネルと同じ表面に格納してある。走り出すと再び格納し、空力特性を向上させる。

  後部のスポイラもリトラクタブル式。前後の揚力バランスをとるため、60mph(96km/h)になるとせり上がり、揚力を最大120kgf(1.18kN)抑える。40mph(64km/h)以下になると下がる。

  コンバーチブル・ルーフは金属製でなく布製。軽く、重心を低くできる。開閉に要する時間は30mph(48km/h)以下で12秒。複層構造で、断熱性と吸音性に優れた厚手の「シンサレート」をライニングとして使った。

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