フランスValeo社は東京モーターショーで、電磁バルブ機構の「Smart Valve Actuation」(SVA)を展示した。バルブ開閉に使われているカムシャフトを使わずに、電磁アクチュエータを使ってバルブを制御する。エンジン回転数に合わせてバルブの開閉タイミング、開弁時間を最適に制御できるほか、気筒休止なども簡単に実現できるため、燃費と排ガス浄化性能を2割改善でき、低回転時のトルクも15~20%ほど向上するという。

 現在Valeo社では、吸排気ともカムを廃した「フルカムレス」と、吸気バルブのみカムを省いた「ハーフカムレス」の2種を開発中。カムがない代わりにバルブ開閉用電磁石二つと、電機子、センサなどが加わるため、展示中の2バルブ用機構の場合で質量は1.8kgほどとなる。また、32ビットプロセッサを使ったコントロールユニットも必要になる。

 同社では複数の完成車メーカーと共同でSVA機構を開発しており、2009年から量産する予定だという。

図1◎Valeo社の電磁バルブ機構「SVA」。左が標準サイズで右は展示用のカットモデル。初公開は2005年9月のフランクフルトショー。