図1◎松下電工が出展した「リアペアカメラシステム」。2個のカメラでより広い範囲を確認できるが、中心部は狭い表示になったように見える。
図1◎松下電工が出展した「リアペアカメラシステム」。2個のカメラでより広い範囲を確認できるが、中心部は狭い表示になったように見える。
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 松下電工と三洋電機は東京モーターショーで、車両周囲を広範囲に映し出すカメラシステムを参考出展した。駐車時などに、ドライバーの死角を減らし、安全性を高める。

 松下電工は、リアカメラ2個を組み合わせる「リアペアカメラシステム」を出展した。既存のリアカメラの検知角は1個で120度程度だが、これを2個にすることで、180度程度に広げる。

 現行のリアカメラは、1個で広範囲を映し出すためのレンズを採用しているため、中心付近は広く、外側は狭く見えている。今回出展したリアペアカメラは、表示映像の中心付近も遠方も同じような縮尺で見えるように改めた。

 ただし、「多くのユーザーは、現行のカメラの見え方に慣れている。リアペアカメラでは、広範囲を自然な大きさで映しているにもかかわらず、中心付近は逆に狭く見えるとの声もあり、画像処理方法の検討を続けている」(担当者)という。商品化の手段も探っている段階だ。現状では、リアペアカメラ単体での販売は難しいと見ており「画像処理などアプリケーションとセットで販売する必要がある」(担当者)という。

 三洋電機は、カメラを6個用いて車両周囲360度の映像を映し出す「合成鳥瞰モニター」を出展した。6個のカメラ映像を自動的に画像処理することで、車両上部から見た映像として表示する。個々のカメラで撮影した画像は中心部は拡大して、周辺部は縮小したように見えるが、これらを補正する。なお、車両周囲360度を映し出すシステムは、日産自動車も2005年2月に「Around View Monitor」として技術公開している。

図2◎三洋電機の「合成鳥瞰モニター」の映像。車両周囲に設置した6個のカメラ映像を合成して、真上から見た映像に変換して表示する。
図2◎三洋電機の「合成鳥瞰モニター」の映像。車両周囲に設置した6個のカメラ映像を合成して、真上から見た映像に変換して表示する。
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図3◎三洋電機の「合成鳥瞰モニター」の仕組み。
図3◎三洋電機の「合成鳥瞰モニター」の仕組み。
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