前田 うちの会社は昭和26年創業で、私で3代目になります。谷川社長はどちらかといえばお店を出す側、運営する側ですが、私はそういう店舗、業務用施設に家具を製造して販売する業態。これに絞って64年になりますね。
とはいえ、この64年の経済環境の変化で、工場の体制が大きく変わってきています。この15年で国内から中国へ。そしてこの数年は中国の人件費高騰、円安の影響もあって、東南アジアへと移ってきました。その第一弾がカンボジアです。高品質の家具をより安く国内の企業に提供するというスタンスで、外食産業、アミューズメント、ブライダル関連、ホテルチェーンなどの施設へ納品するようになっています。
お話にあった海外展開という点で考えると、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)、2020年の東京オリンピック/パラリンピックに向けて国内需要は活況を呈する見込みなので、そこに向けて安くて良い製品をどう提供するか、人件費の安い東南アジアでノウハウを確立するというモデルが、2020年までの日本国内市場では重要であろうと考えています。
それ以降はそのモデルを海外へ敷延すること、家庭用の家具を視野に入れることなどを考えています。しかし、家具製造販売というのは、競争は激化していますが、特殊な技術とか特許とかはいらないんですね。一生懸命やれば良い結果が出やすい業界なので、長期的な増収増益を目指していきたいと考えています。
三反田 サービス業を多角展開する谷川さん、家具製造販売のプロの前田さん。対照的なようにも見えるのですが、それぞれ今のお仕事に至る経緯をお聞きしてもいいですか?
谷川 僕は19歳のころ、バンドマンをやっていまして、サンコー(現在、あらきの親会社)が運営していた広島のレンタルショップにアルバイトで入ったのが最初です。当時の僕はモヒカンでギターを弾いて、まあ弾いてるよりは振り回しているのが多かったんですが(笑)、そのレンタル屋の運営しているのも楽しくなってきて、それでずっとサンコーで働くようになりました。
三反田 モヒカンのバンドマンが今や社長(笑)。当時はレンタルレコードの時代ですかね。