中国のLED関連企業が、東南アジアでの攻勢を強めている。
2015年5月にタイの首都バンコクで開催されたLED照明関連の展示会「LED Expo Thailand 2015」。今年で3回目を迎えた会場は、昨年開催された前回の展示会よりも1ホール増えて拡大し、出展企業は330社、参加者数は約2万2000人に達した。
330社のうち中国企業は168社と前回に引き続き、半数を超えて他国を圧倒。中国のほかにも、韓国や台湾に加え、シンガポールやマレーシアのパビリオンが会場に立ち並んだ。タイを中心にASEAN(東南アジア諸国連合)でのLED照明の需要拡大の様子がうかがえる展示会だった。
ただ、年々拡大している展示会場に日本企業の姿は少ない。昨年に引き続き出展した大手企業は東芝や興和の現地法人で、ハイパワー製品を中心に展示。シチズン電子や、JUKIオートメーションシステムズ、ニイヌマが初出展した。
今のところ、日本のLED照明関連企業がタイでビジネス展開している例は少ない。大きな理由の一つは、ビジネス拡大に向けた費用対効果が低いという認識があることのようだ。
確かにタイ1国を考えた場合は、そうかもしれない。しかし、タイでの存在感を高める波及効果は、意外に大きい。タイは、周辺のASEAN諸国のハブとして機能することが期待できるからだ。
加えて、タイ企業による日本企業への期待は、これまで以上に大きくなっている。展示会の主催企業も、日本企業の出展をが願っている状況だ。