ベルトコンベヤーを流れる大小さまざまな荷物が、次々と仕分けされていく――。ここは、国際宅配便大手のDHLジャパンの東京ディストリビューションセンター(TDC)。日本と世界をつなぐ物流ネットワークのハブ拠点(ゲートウエイ)である。

仕向け地に応じて次々と仕分けされていく荷物

 国際宅配便の特徴は、発送から到着までがとにかく速いことだ。事業者が自社で保有している航空機や車両、および提携先の輸送手段を駆使して、最短の納期で荷物を届ける。国際宅配便で扱う荷物は、書類や部品などの“小物”が多いが、近年はちょっとした機械や金型といった“大物”も増えている。グローバル化の進展などでビジネスのスピードがこれまで以上に重視され、以前だったらフォワーダー(自社で輸送手段を保有せず、航空・海上輸送など他社の輸送手段を利用して配送を受託する事業者)が扱っていたような大型の荷物が、国際宅配便に回るようになっているのだという。

 例えば、日本から海外の展示会に機械を出品する場合、仕向け地にもよるが、海上輸送であれば1~数カ月前には発送しなければならない。しかし、航空輸送の国際宅配便であれば1~3日程度で到着するので、ギリギリまで開発や調整に時間をかけられる。こうした速さが重宝されているわけだ。