太陽光発電関連で北米最大規模の総合イベント「Intersolar North America(北米インターソーラー)」(2015年7月13~16日)が、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催された(図1)。インターソーラー関係者によると、約500社が出展し、来場者数は1万8千人以上だったという。イベントは3日間の専門セミナーと展示会・技術講演会で構成されている。

図1●カリフォルニア州サンフランシスコで開催された「北米インターソーラー」
(出所:Solar Promotion International GmbH)

米Tesla社の「パワーウォール」に脚光

 「北米インターソーラー」は今年で8年目。今回の大きな目玉は「定置型蓄電池」であった。今年はイベント展示場に初めて蓄電池用の特別なエリアが用意され、総出展500社の内、なんと50社は蓄電池関連の企業であった。これは昨年の20社と比べ、2倍以上増えたことになる。蓄電池専門セミナーも多くの参加者を集めた。

 さらに、イベントのオープニングセレモニーには、米Tesla Mortar社の創始者兼チーフテクニカルオフィサー(CTO)のJB Straubel氏のスピーチが含まれた。同氏は、数カ月前に低価格とスタイリッシュな蓄電池「パワーウォール」で業界を沸かせた。

 Straubel氏は、「(Tesla社の)根本的な目標は、どのように自動車を持続可能にするかです。私たちは、単に電気自動車(EV)をつくりたいと思っているわけではありません。大事なのはEVの燃料がどこから来るのか。これを(同社のビジネスモデルに)結び付けると、再生可能エネルギーにたどり着くのです。(EVへの再生可能エネルギーの使用が)私たちの本当にしたいことです」と、同社と太陽光発電産業との関わりを語った。

 「こんなに早く太陽光発電のシステム価格が下がるとは、今まで誰も予想していなかった。蓄電池も同じ価格カーブをたどっており、まさに価格が急低下するところに位置する」と、太陽光発電と同様、低価格化により今後、普及が加速することを示唆した。

 「蓄電池は、さらなる太陽光発電の連系接続を可能にし、再生可能エネルギー100%によるグリッド(電力網)を実現するカギになる」。最終的に「太陽光発電と蓄電池の併用は、米国のエネルギー産業に革命を起こすであろう」とも語った。