金さえ出せば何でも買えると、誰もが思う。しかし、そうは行かない方が多いのではなかろうか。
以前、ある開発を進めるうちに、小型モーターが必要になった。どうせなら汎用品を使うのがいいだろうと、有名な小型モーターのメーカーに問い合わせたのである。
小ロット(100~1000個)だから、多少高めでも、自前で開発するよりは絶対に安くなる。そんな思惑だ。
しかし、1ロット100万個なら売りますが、その数量では売れませんと言われたのだ。驚いたのはもちろんだが、ぶっきらぼうな物言いと併せて、むしろ、あきれてしまったのである。
確かに、1個何十円という価格だろうから、数がまとまらないと売りたくないのは分かる。しかし、いくらなんでも100万個とは、ひょっとして断る理由ではないか、そんな気がしたのである。この話、落ち着いて考えると、売りたくないと言うより、商売にならないから売らないということではなかろうか。