私が参加したチームでは、日替わりで外装とメニューが変わるレストラン「日替わり店舗」というサービスのアイデアを発表しました。料理人が独立する際、「腕試しのできる場が欲しい」というニーズを軸にして、出店をスモールスタートするための店舗を日替わりで提供するというコンセプトです。料理人が腕を磨き独立するプロセスをお客さまが応援してマイシェフを育てるという体験ができるとともに、独立後のロイヤルカスタマーになることを狙いとしています。

プロトムービーを使ったプレゼンテーションの様子(写真左は筆者)

 このアイデアは、日替わりで内装を変更させるというのがアイデア実現の要となります。プロジェクションマッピングを活用し「どの程度外装が変わると、場の雰囲気が変わった印象を与えるのか」という疑問を体感してもらうため、プロジェクターを使って会議室の様相を変える簡単なプロトムービーをつくりました。ビフォーアフターの差が分かりづらく不十分なプロトタイプだったのですが、少なくとも場の状況の変化の有効性を検証することができたと思っています。

 そのほかのチームも、商標獲得を視野に入れサービス名称をつけるチームなど、資料によるプレゼンテーションで終わらず、具体化に向けた案を示しながら最終報告に臨んでいました。誰しもが自然発生的、つまり「無責任に出たアイデアだからこそ個人が責任を持って具現化する」という思いに駆られていたのではないでしょうか。

 ビズラボは、ビジネスリーダーを対象とした事業コンセプトの創出を目的とした講座と共創の試行の場です。最終報告の結果として事業コンセプトの共創は実現されたと思います。この取り組みを通じて得られた気づきをどうやってビジネスにつなげるのか、そして出てきたアイデアをどう具現化するのかが参加者の今後の課題です。