京都というと、世界遺産、寺、神社、紅葉、桜を思い浮かべる人が多いだろう。京都は、古都や観光地としてのイメージが強い。しかし、それだけではなく、それ以外に我々と密に関係している二つのシンボルがある。それは京料理と京企業だ。

 京料理は、いわゆる京都の食文化を代表する和食料理である。『ミシュランガイド関西2015』(出版社:日本ミシュランタイヤ、ISBN-13:978-4904337073)で、京都の店(旅館含む)が星を獲得した数は全部で99(三つ星が7軒、二つ星が23軒、一つ星が69軒。うち旅館3軒)。この数は、世界的にも東京とパリの次に多いが、都市の規模に対する割合で考えると、世界で1番多い都市に間違いない。

 京企業は、いわゆる京都に本拠地を持つ企業だ。その中には、独自の技術で世界的にも名の知られているハイテク企業が多い。京セラ、島津製作所、オムロン、村田製作所、日本電産、ローム、堀場製作所…。いずれも京都に本拠地を置く、いわゆる「京都銘柄」の企業だ。

 なぜこのように独特な企業と、伝統な京料理が京都で共存しているのか。共通点があるのか。今回は、それらについて探ってみた。