「基本的に、従来の決済インフラはIoT(Internet of Things)と互換性が少ない。IoTの決済にはBitcoinのような仮想通貨が不可欠だ」と米Pantera Capital社 CEOのDan Moorehead氏はこう指摘する。

 Pantera Capital社は、2003年に設立され、現在、Bitcoinやその他の仮想通貨に関わる企業に投資する専門のベンチャー投資企業である。

 Moorehead氏の主張の裏には、分散コンピューティングと暗号技術で発展してきたBitcoinなどの仮想通貨が備える高い効率性にある。従来の電子コマースは、1950年代から成長したクレジットカード決済のシステムに頼っている。

 Pantera Capital社によると、VisaやMasterCardのクレジットカード決済サービスでは、決済費として決済金額の2.3~2.5%を取得する。しかも、取引をエンドツーエンドに完了するには2~3日がかかる。

Pantera Capital社 CEOのDan Moorehead氏

 これに対して、Bitcoinの決済なら決済費は決済金額の0.00000005%にすぎない。決済の時間はほぼリアルタイムだ。「実は、ある人が約8200万米ドルの取引をBitcoinで決済した。この取引のコストはわずか0.04米ドルだった」(Moorehead氏)。