「ニッポンのものづくり」という言葉は以前ほど耳にすることはなくなってきたが、自動車やスマートデバイス、M2MやIoTなど、ものづくりの技術は日々進歩しており、それらを支えているのが組み込みシステムである。

 そこでは、設計からテストに至るまでの開発工程の進化、自動車やロボットなどの安全確保の問題や、社会インフラにも関わるセキュリティの脅威、さらには雇用確保や人材育成の悩みなど、IT分野と共通する課題や、組み込みならではの問題が存在する。

 このシリーズでは、組み込みシステムの専門家集団であるJASAから見た組み込みのトレンドを紹介する。

一般社団法人 組込みシステム技術協会(JASA)
組み込みシステム向けの技術が得意な会社が集まった非営利の業界団体。組み込みシステムとは、大まかに言うと、「モノ」に埋め込まれたコンピューターのことである。ハードウエアとソフトウエアの両方から成り立っている。組み込みシステムは、電子レンジの制御から自動車のエンジン制御、Blu-rayプレーヤー、携帯電話、ロケットの制御まで、さまざまなところにコンピューターシステムとして埋め込まれている。