テストの前に何とか終わらせたい!

 レジスター回路も設計し終えたら、実システムでの動作を確認します。ここで問題になるのは、CPUに対して表示が終了したことを伝達するための割り込み命令です。CPUは、割り込み命令を受け取ってから次のフレームの表示開始領域を示したアドレスなどを発行します。この割り込み命令のタイミングが非常にシビアなので、実システムでは苦労します。CPUの動作は他の装置に比べてものすごく速いので、適切なタイミングで割り込み命令を発行しないとCPUが割り込み命令を受け取ってくれないからです。割り込み命令の発行タイミングを適切に設定して、実システムでもフレームを切り替える動作を確認できたら、ようやく表示回路の完成となります。下の写真は、フレームを交互に切り替えての表示に成功したところです。

フレームを交互に切り替えての表示に成功したところ
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 私たちが表示回路の課題に取り組んだ期間は、2014年5月半ばから6月終わりまででした。それ以前の課題と違い、かなりの時間を費やしました。このあたりで一般的な学生実験との密度の差をひしひしと感じるようになりましたが、7月に入るとすぐに次の課題の準備に取り掛からねばならなかったので、何とかしてそれまでに表示回路を完成させようと必死でした。途中でテスト期間に差し掛かるなど、スケジュール面もかなりハードでした。忙しい時期の私はいつも下の写真のようになっていました。

課題に追われていた当時の筆者
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 正直なところ、表示回路だけでもかなりの密度でしたが、実はこの時点でまだCOJTのスケジュールの半分も終わっていません。ここからさらに難易度の高い課題が待ち受けているのです。それがどれほど大変だったかについては、次の課題である「キャプチャー回路」の記事でお伝えします!