このコラムでは、「リアル開発会議」が提案する開発プロジェクト「発電服『電服』」の開発を追っていく。2014年春に東京と大阪でワークショップを実施。その後、特に発電服に関心を示した企業に集まってもらい、同年7月31日にミーティングを開催したところ、開発プロジェクトがどんどん進んでいくことになる。

発電服のイメージ
イラスト:楠本礼子

 電服は、その名の通り、発電する衣服だ。身に着けた人の動きで発電し、衣服に取り付けたLED(発光ダイオード)やセンサーを駆動させたり、接続したデジタル機器を動作させたりできる。まさにウエアラブル機器を支える新しいタイプの電源として活躍するのだ。これが実現することで、衣服の概念は大きく変わることになるだろう。

 電服の応用は幅広い。例えば、LEDを取り付けた作業着をはじめ、飲食店のユニフォームに組み込めば、端末の電源を心配することなく、店内情報システムを実現できる可能性がある。スポーツやヘルスケア、医療現場での応用にも大きな可能性がある。医療現場では、患者の身体の状況をリアルタイムに把握する応用に商機がある。衣服自体が電源となり、バッテリーレスでリストバンド型センサーに電力を供給するような応用も考えられる。