ラスベガスで開催されたSolar Power International 2014
ラスベガスで開催されたSolar Power International 2014
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業界リーダーが討論する基調講演(左端がEnphase Energy社のCEOのPaul Nahi氏、中央がSolarCity社CEOのLyndon Rive氏)
業界リーダーが討論する基調講演(左端がEnphase Energy社のCEOのPaul Nahi氏、中央がSolarCity社CEOのLyndon Rive氏)
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展示会場(蓄電池セクション)
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米国太陽光発電市場予測(図:SEIA/ GTM Research)
米国太陽光発電市場予測(図:SEIA/ GTM Research)
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 太陽光発電関連の北米最大の展示会「Solar Power International(SPI) 2014」(2014年10月20~23日)が、米国ネバダ州ラスベガスで開催された。ネバダ州はカジノだけではなく、世界最大規模の太陽熱と太陽光の発電所があり、さらに電気自動車(EV)メーカーの米Tesla Motors社がLiイオン2次電池の工場「ギガ」の建設地に選んだ。

 1万8600m2の展示会場には、世界25カ国から、計1600社が出展した。SPIは今年で11年目になり、年々規模が小さくなっている。しかしこれは、米国の太陽光発電市場が縮小しているのではなく、成熟期に入ったことを意味する。米国の太陽電池メーカーでEPC事業者(EPCは、engineering(設計)、procurement(調達)、construction(建設)の意味)でもある米Sun Power社や米First Solar社さえも、ここ数年ブースは構えていない。

 2000年代のSPIは、太陽電池メーカーやパワーコンディショナメーカーなど、ハードウエア系の最新技術や製品のお披露目の場であった。ここ数年は、施工を簡素化する架台や、システムの監視システム、顧客獲得を効率化するクラウドサービス、そして系統電力量の制御に貢献する蓄電池とそのソフトウエアなどが、展示の中心になっている。

成熟期の市場の行方を議論

 産業界のリーダーが討論する基調講演には、米SolarCity社CEOのLyndon Rive氏と米Enphase Energy社CEOのPaul Nahi氏がパネリストに含まれていた。ここでは、大量導入時代、つまり成熟期に入った米国分散型太陽光発電市場と電力系統との統合が話し合われた。

 SolarCity社は、米国で分散型太陽光発電の設置量トップであり、2018年度中間期までに累計6GWの設置量に匹敵する「顧客百万件」を目標に掲げている。同社は、分散型太陽光発電システムの設計や販売、施工、オペレーション&メンテナンス(O&M)、リースやローンなどのファイナンスなど、トータルサービスを提供する。

 2008年創設のEnphase Energy社は、業界に先駆けてマイクロインバーターを開発し、これまでに1.4GW以上のマイクロインバーターを米国と海外に販売した。同社はSPIで「Enphase AC Battery」と呼ばれる蓄電池を発表した。これは同社が、エネルギーマネジメントシステムへと事業を拡大することを意味する。同社のマイクロインバーターとモニタリングシステムを蓄電池と組み合わせれば、より効率的にエネルギーを管理できるとする。ちなみに蓄電池は、日本のエリーパワー製である。