「そのうち電話機能を積んだスマートウォッチが出ますよ」

 海外の端末メーカーの担当者がそう教えてくれたのは、2014年の春だった。その時点での腕時計型ウエアラブル機器、いわゆるスマートウォッチの多くはBluetoothでスマートフォンと接続して使用するタイプであり、事実上スマホの子機、あくまでもデータを一時的に蓄えておく“タンク”のような存在だった。しかし数キロ先の基地局との遠距離通信が可能な電話機能が付けば、スマートウォッチの活躍の場はグンと広がる。

 今回は、3Gの電話機能を搭載した価格200米ドル以上のスマートウォッチが存在する中で、あえて119米ドルで入手した中国産のGSM通信機能付きウォッチ「ZGPAX(平安星)」を紹介する。

中国産のGSM通信機能付きウォッチ「ZGPAX(平安星)」の外観
中国産のGSM通信機能付きウォッチ「ZGPAX(平安星)」の外観
製品裏側のバンドの近く(黄色の枠で囲まれた場所)にIMEI番号が記載されている
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Google Chromecastの外観
IMEI番号の拡大
通信事業者はIMEI番号で電話の課金対象を識別する。電話機であることの証だ

 電話機として動作する以上、通話量に応じて適切に課金しなければならない。端末ごとに付与される「IMEI番号」(「*#06#」と押すと表示される14桁または15桁の英数字)は課金対象を識別するIDになるもので、通常はSIMカードと一緒に運用される。本機も製品裏側のバンドの近くにIMEI番号が記載されている。SIMカードスロットも搭載されており、電話端末と同じルールが適用されていることが分かる。

ZGPAX(平安星)を分解したところ
ZGPAX(平安星)を分解したところ
小さいながらも液晶ディスプレーとタッチパネルを搭載する
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