BOM(Bill of Materials)は図面と並んで、製造業にとって最も重要な情報の1つである。しかし、多くの企業が図面を統合管理している一方で、BOMについてはいまだにさまざまな拠点、さまざまなシステムでバラバラに管理している。日本では従来、「図面=製品情報」という文化が支配的であったためであろうか。
近年は海外展開による企業組織の拡大などにより、BOM統合管理の重要性がさらに高まっている。グローバルに分散した複数の拠点で、どの製品をどこで造ればコスト面で有利か、地域別のニーズに対応するための仕様を持つ製品をどのように実現するか、といった検討を十分に実施するには、拠点にまたがってBOM情報を横断的に見る必要がある。
BOMは部品表と訳されることも多いが、単なるパーツの一覧表ではなく製品情報そのものであり、すなわち「BOM=製品情報」と捉えたい。本コラムでは、改めてその重要性が着目されているBOMに着目し、「BOM情報統合管理の意義」「トップマネジメント・現場への投資対効果の説明方法」について検討する。