半導体の技術と業界の今と未来を、さまざまな視座にいる識者が論じる「SCR大喜利」。今回のテーマは「どうしたLED市場」である。このテーマでは、予想外の市場停滞に見舞われているLED市場が再び成長に転じるための成長基軸や技術開発の論点を、照明向け市場の現状と対策を中心に洗い出す。第2回の今回はコンシューマ・マーケットを長年見続けてきたBCN総研 アナリストの森英二氏が分析する。
BCN総研 アナリスト
【質問1の回答】既存の電球とただ取り換えればよいというわけではないため
LED照明は、放熱についての留意点など、設置時の取り扱いが現状の電球とは異なる。この点が消費者には分かりにくく映っているのではないか。また、イニシャルコストが高い製品であることから、導入に躊躇していると考えられる。
明るさの表記についても、これまでの電球と異なり、どの製品を購入すれば今までと同じ明るさが得られるのかイメージが付きにくい。このことも市場停滞の一因に挙げられる。