半導体の技術と業界の今と未来を、さまざまな視座にいる識者が論じる「SCR大喜利」。今回のテーマは「どうしたLED市場」である。このテーマでは、予想外の市場停滞に見舞われているLED市場が再び成長に転じるための成長基軸や技術開発の論点を、照明向け市場の現状と対策を中心に洗い出す。第2回の今回はコンシューマ・マーケットを長年見続けてきたBCN総研 アナリストの森英二氏が分析する。

森 英二
BCN総研 アナリスト

【質問1】現在、LED市場はなぜ停滞しているのでしょうか?
【回答】 既存の電球とただ取り換えればよいというわけではないため

【質問2】電球、蛍光灯をLEDに完全代替するための必要条件は何でしょうか?
【回答】 さらなる市場拡大に向けた次の一手

【質問3】LEDメーカーは、需要喚起に向けて、どのような施策を採るべきでしょうか?
【回答】 消費者に対して利用イメージを明確に提示する必要がある

【質問1の回答】既存の電球とただ取り換えればよいというわけではないため

 LED照明は、放熱についての留意点など、設置時の取り扱いが現状の電球とは異なる。この点が消費者には分かりにくく映っているのではないか。また、イニシャルコストが高い製品であることから、導入に躊躇していると考えられる。

 明るさの表記についても、これまでの電球と異なり、どの製品を購入すれば今までと同じ明るさが得られるのかイメージが付きにくい。このことも市場停滞の一因に挙げられる。