眼電位のイメージ(図:ジェイアイエヌ)
眼電位のイメージ(図:ジェイアイエヌ)
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鼻あてと中央に電極を配置したジェイアイエヌの眼鏡(写真:同社)
鼻あてと中央に電極を配置したジェイアイエヌの眼鏡(写真:同社)
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 眼電位とは、眼球の角膜側と網膜側との間に生じている数十mVの電位差を指す。ヒトの眼球の角膜側は、一般に正の電荷、網膜側は負の電荷を帯びているため、両者の間に電位差が発生する。目の周囲の皮膚に電極を付けて電位差を測定すると、眼の動きや瞬きによってこの電位差が変わる。眼電位センシングとは、このような電位差測定である。視線や心理状態、疲労などの推定に役立つ。ここへ来て、眼球運動の機能検査など医学的な利用に加え、ユーザーインターフェース(UI)や眠気の検知などに応用する開発が進んでいる。

 この5月末に眼鏡メーカーのジェイアイエヌが発表したメガネ型のウエアラブル端末「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」も、眼電位センシング機能を備える(関連記事1関連記事2)。この眼鏡は「自分を見る」をコンセプトにしており、眼電位センシングによって視線移動と瞬きをリアルタイムに測り、ユーザーの意図や内面を探る機能を備える。

 視線移動は、例えばスマートフォンや車載機器などの操作に使える。ユーザーがスマホの画面を見て、ページめくりをしたり、アイコンを選択したりできる。視線や瞬きの情報を継続して取り込んで解析することで疲労や眠気の推定が可能になる。ヒトが眠気を帯びると、眼球は独特の動きをするようになるという。同社は、居眠り運転の防止に役立つと見ており、一般ユーザーに加え、例えば運送会社に販売することを検討中している。