SunShot Grand Challenge Summitでのキーノートスピーチ
SunShot Grand Challenge Summitでのキーノートスピーチ
[画像のクリックで拡大表示]
研究開発結果の発表会場
研究開発結果の発表会場
[画像のクリックで拡大表示]
solarpermit.orgの発表ポスター。申請許可のプロセスを合理化したソフトを開発した
solarpermit.orgの発表ポスター。申請許可のプロセスを合理化したソフトを開発した
[画像のクリックで拡大表示]

 2020年までに、大規模太陽光発電施設の発電コストを、6米セント/kWhまで引き下げる――。米エネルギー省(DOE:Department of Energy)が掲げるコスト削減目標に向けた研究成果の発表や議論が、DOE主催のイベント「SunShot Grand Challenge Summit」(2014年4月19~21日、カリフォルニア州アナハイム市)で繰り広げられた。政府機関や大学、研究所、産業界などから、総勢800人を超える参加者が集まった。

 DOEは2010年に、太陽エネルギー発電のコスト削減に向けた技術開発の10年計画を「SunShot Initiative(サンショット・イニシアティブ)」として発表している。“SunShot”は、ケネディー大統領が「人間を月に送り、無事に帰還させる」と宣言した宇宙開発プログラム「Moon Shot(ムーンショット)」の月を太陽に変えたものだ。

 SunShot Initiativeのゴールは、2010年に21米セント/kWhだった大規模太陽光発電施設の発電コストを、2020年に約70%減の6米セント/kWhまで引き下げるというものである。この発電コストは、化石燃料の発電コストに匹敵する。

 Sunshot InitiativeのディレクターMinh Le氏によると、現時点で既に2020年の目標の60%程度までコスト削減ができているという。大規模太陽光発電システムの発電コストは、2010年の21.4米セント/kWhから、2013年末に11.2米セント/kWhになったと発表した。

 ただし、「残りの40%を達成するのは容易ではない」とMinh氏は語った。この40%を達成するには、さらなる電力系統の合理化や低コスト蓄電池の開発、資本市場への容易なアクセス、国内製造業の強化などに取り組むべきとする。