どこにでも持ち運べる

 イベント会場で限定品を売ること自体は、決して珍しいことではありません。でも、僕は「プロジェクションマッピングとハコビジョン」という組み合わせにポイントがあるとみました。

限定商品「ハコビジョン GUNDAM in DAIBA」のパッケージ
限定商品「ハコビジョン GUNDAM in DAIBA」のパッケージ
(c)創通・サンライズ

 そのポイントとは、「これまで特定の場所でしか見ることのできなかったプロジェクションマッピングを自宅に持ち帰れる(どこにでも持ち運べる)ようにした」という点です。

2014年4月14日に発売されたハコビジョン第2弾「MOBILE SUIT GUNDAM」
2014年4月14日に発売されたハコビジョン第2弾「MOBILE SUIT GUNDAM」
(c)創通・サンライズ

 考え方そのものはこれまでにもありました。映画をDVDに収めて販売するモデルです。映画館でしか見ることのできなかった映像を自宅に持ち帰れるようにすることで、販売機会を格段に広げることに成功したわけです。販売期間も、映画だけだと1~2カ月に限定されますが、DVDならもっと長期間にわたって売ることができる。つまり、「場所」と「時間」を広げることでビジネスを拡大することができたことになります。

 プロジェクションマッピングとハコビジョンの関係もこれと同じ。いや、むしろ効果はDVD以上だといえるでしょう。なぜなら、映画であれば何カ所にも映画館を造ることができますが、プロジェクションマッピングは実在の建造物などで上映されることが多いのでそういうわけにもいきません。だからこそ、感動もひとしおなわけですが、その感動を自宅どころか、どこにでも持ち運べるようにしたところが、ハコビジョンの本当のスゴさだといえます。

 特定の場所でしか味わえないからこそ感動を生むプロジェクションマッピング。そして、その感動を持ち運び可能にしたハコビジョン。今後、どんな展開をしていくかに注目していきたいと思います。