「今の日本はもはや昔ながらのものづくりでこれ以上に成長することはできないのではないか」

 これはこのコラムの読者のみなさんが、ある程度共通して持っておられる思いではないでしょうか。だからこそこのコラムを読まれているのだと思います。ではこれから私たちはどこに注力し、そしてどのようなビジネス戦略を描けばよいのでしょうか。今回はここに少し踏み込んで考えてみたいと思います。

 読者のみなさんは、「スマイルカーブ」という言葉をお聞きになったことがあると思います。少し調べてみると、スマイルカーブと呼ばれるものには様々な人びとによる多くの定義があることが分かりますが、ここでは図1のように製品を構成する部品から製品やサービスに至る流れと考えることにします。

図1 スマイルカーブ
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