連載主旨
 かつて「モバイル」と言えば、携帯端末ではなく「クルマ」だった。クルマが「動くもの」の代名詞だったからだろう。今、このモバイルという言葉を軸にIT(情報通信)業界と自動車業界の距離は急接近している。クルマという商品がソフトウエアの塊になり、動く通信端末としての期待を集めているからだ。

 IT業界を代表する米Google社や米Apple社は、自動運転車やクルマ向けのサービスの開発を加速。ビッグデータの解析対象としても、ドライバーの操作や移動に関するデータが注目を集め、クルマのセキュリティー対策も焦眉の急になっている。

 では、IT業界に「クルマ」という技術基盤はどう見えているのか。このコラムでは、それを探っていく。