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「独断」こそが革新につながる、スピードは最大のサービス

異聞・新事業、七つの流儀●異業種参入の流儀

2014/04/21 00:00
樋口 武男=大和ハウス工業 代表取締役会長・CEO
 住宅メーカー最大手として有名な大和ハウス工業だが、ここ最近、住宅以外の新しい事業を大きく拡大させている。創業50周年の2005年度に売上高1兆5000億円の目標を達成し、創業100周年の2055年には売上高10兆円という壮大な目標を掲げて陣頭指揮をしているのが、同社 代表取締役会長 兼 CEOの樋口武男氏である。

 現在、売上高10兆円の目標を実現するために、福祉と環境、健康、通信、農業の頭文字を取った「フカケツノ」事業に力を注ぐ。自社で手掛けていない分野では、ベンチャー企業と連携し、新しい事業の創出を狙う樋口氏は、“独断”の重要性を唱える。(リアル開発会議)
樋口武男氏。大和ハウス工業 代表取締役会長・CEO(写真:宮田昌彦)
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 大和ハウス工業では将来を見据えて「フカケツノ」事業に力を注いでいく方針を打ち出している。「フ」は福祉関連、「カ」は環境、「ケ」は健康、「ツ」は通信、「ノ」は農業で、これから事業を広げていこうと思っている分野だ。

 なぜ、住宅メーカーがこれらの事業に注力するのかと、不思議に思う方もいるだろう。それには理由がある。

 日本の人口は現在、1億2700万人で、2060年には8600万人、2100年には6000万人程度に減少するという推計がある。一方、世界の人口は現在の72億人から100億人に増加する。この変化は、人間の生活に関連するさまざまな問題を世の中に引き起こす。世界の環境はどうなるのか、食糧はどうなるのか、水の問題はどうなるのか…。「住」という生活の基本となる商材を扱う企業として、その周辺で起きる変化は無視できない存在になっていく。常に先の先を考えなければ、事業を拡大していくことはできない。

 初めは「不可欠(フカケツ)」な事業をやるつもりだったが、最後にあえて「ノ」を付けた。それは今の日本の食糧事情や世界の人口、日本の人口を考えると、農業の工業化を必要とする時期が絶対にやって来ると考えたからだ。薬品まみれの食品がどんどん輸入されるようでは、健康管理もできない。だから、無農薬の食料を工業的に生産していく取り組みは不可欠なのだ。

 日本は技術大国である。今後も、いろんな技術を輸出していけるはずだ。優秀な人がたくさんいるのだから、このままでは宝の持ち腐れである。

 例えば世界の人口が100億人になれば、水が足らなくなるだろう。だが、地球の大半は海である。海の水をすぐに飲料水にできる技術があれば、それは商品として世界中に売れる。しかも、大規模なものではなく、家庭で使える技術なら急速に普及するに違いない。

 新しいアイデアというのは、「こんなんあったらええのにな」と漫画的な発想で考えたらいい。「そんなの、おまえ、できるわけないやろう」とかつて言われていた商品を、今は具現化できているわけだから。

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