半導体業界の今と未来を、さまざまな視座にいる識者が論じる「SCR大喜利」、今回のテーマは「ADASでパソコンの「Wintel」のような業界標準は生まれるか」である。今、注目の車載システム、先進運転支援システム(ADAS)に向けた半導体市場の行方を探る。

 第4回目の今回は、前回に引き続き、FPGA(field programmable gate array)の大手メーカーから回答者を招いた。米Altera社の日本法人 日本アルテラから、インダストリアル&オートモーティブ ビジネスユニット オートモーティブ担当 マーケット・デベロプメント・マネージャーの生嶋孝之が登場する。

生嶋孝之
日本アルテラ インダストリアル&オートモーティブ ビジネスユニット オートモーティブ担当 マーケット・デベロプメント・マネージャー
生嶋孝之
 電子部品メーカーにて5年間、欧州での海外営業・マーケティングを担当した後、2005年に日本アルテラに入社。西日本地区セールス・マネージャを務め、現在は米国本社直轄のオートモーティブ市場専任マーケット・デベロプメント・マネージャとして、日本アルテラのオートモーティブ・ビジネスを牽引している。

【質問1】ADASの開発・生産において、特定仕様の半導体デバイス、ソフトウエアをベースにした開発プラットフォームは必要でしょうか?
【回答】 必要性は高いと考える

【質問2】ADASにおいて、パソコンにおけるWintelのような開発プラットフォームの業界標準が生まれる可能性はあると思われますか?
【回答】 可能性はあるが、時間がかかると思われる

【質問3】自動運転やバッテリー制御など、制御色の強い車載電子システムでは、開発プラットフォームの標準化の考え方にADASと違いはありますか?
【回答】 ある

【質問1の回答】必要性は高いと考える

 カメラ・システムによって構成するADASにおいては、Open CVをベースとしたアルゴリズム開発が主流になりつつある。ところが、Windowsパソコンに向けた開発環境であるため、実際のシステムにそのまま実装することができない。そのため、ADASで要求されるリアルタイム処理と機能安全を考慮した開発プラットフォームが必要とされている。