医療機器の世界において、「なぜ米国企業に太刀打ちできないのか」という議論がなされて久しい。長い間、日本市場を見てきたものとして、一つのショッキングなデータを示して、何らかの活路を見出すきっかけにしたい。
何かの間違いかと疑いたくなるデータ
PMDA(医薬品医療機器総合機構)のWebサイトにあるデータには、ときとして衝撃的な事実を突き付けられることがある。
このWebサイトには「業者一覧」というページがあり、医療機器の添付文書が企業ごとに公開されている。以下に示すグラフは最新(2014年3月22日現在)のもので、日本における医療機器の公開数を上位10社に限定して抜き出してみた結果である。
並べ替えてみてびっくりしたのは、上位10社のうち米国企業の日本市場への進出ぶりが並大抵のものでないという事実を知ったことだ。
こうした事情を分析するには、機種ごととか、目的別とか、もっとじっくりと詳細を見つめてみないと正確なことが言えない。だが、大数の法則というのがあり、全体的な数字の示す事実が大きな過ちの結論を導く原因になるとも思えない。
日本企業に関しては、診断器は強いが治療器は弱いとも言われ続けている。とはいえ、この数字が示すのは、そんな単純なことではないだろう。